旧借家法の条文は以下のとおりです。カタカナをひらがなに変換したものと原文とを掲載します。
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旧借家法の条文(全文)(カタカナをひらがなに変換する等したもの)
(旧)借家法(全文)
大正十年四月八日法律第五十号
最終改正
昭和四一年 六月三〇日法律第九三号〔借地法等の一部を改正する法律二条による改正〕
朕帝国議会の協賛を経たる借家法を裁可しここに之を公布せしむ
第一条〔建物の賃貸借の対抗力・建物の売主の担保責任〕
①建物の賃貸借は其の登記なきも建物の引渡ありたるときは爾後其の建物に付物権を取得したる者に対し其の効力を生す
②民法第五百六十六条第一項及第三項の規定は登記せさる賃貸借の目的たる建物か売買の目的物なる場合に之を準用す
③民法第五百三十三条の規定は前項の場合に之を準用す
第一条の二〔賃貸借の更新拒絶又は解約申入の制限〕
建物の賃貸人は自ら使用することを必要とする場合其の他正当の事由ある場合に非されは賃貸借の更新を拒み又は解約の申入を為すことを得す
第二条〔賃貸借の法定更新〕
①当事者か賃貸借の期間を定めたる場合に於て当事者か期間満了前六月乃至一年内に相手方に対し更新拒絶の通知又は条件を変更するに非されは更新せさる旨の通知を為ささるときは期間満了の際前賃貸借と同一の条件を以て更に賃貸借を為したるものと看做す
②前項の通知を為したる場合と雖も期間満了の後賃借人か建物の使用又は収益を継続する場合に於て賃貸人か遅滞なく異議を述へさりしとき亦前項に同し
第三条〔解約申入期間・解約申入による賃貸借の終了と法定更新〕
賃貸人の解約申入は六月前に之を為すことを要す前条第二項の規定は賃貸借か解約申入に因りて終了したる場合に之を準用す
第三条の二 〔短期契約の制限〕
一年未満の期間の定ある賃貸借は之を期間の定なきものと看做す
第四条〔賃貸借の終了の転借人に対する対抗力〕
①賃貸借の期間満了又は解約申入に因りて終了すへき転貸借ある場合に於て賃貸借か終了すへきときは賃貸人は転借人に対し其の旨の通知を為すに非されは其の終了を以て転借人に対抗することを得す
②賃貸人か前項の通知を為したるときは転貸借は其の通知の後六月を経過するに因りて終了す
第五条〔造作買取請求権〕
賃貸人の同意を得て建物に附加したる畳、建具其の他の造作あるときは賃借人は賃貸借終了の場合に於て其の際に於ける賃貸人に対し時価を以て其の造作を買取るへきことを請求することを得賃貸人より買受けたる造作に付亦同し
第六条〔賃借人に不利な特約の禁止〕
前七条の規定に反する特約にして賃借人に不利なるものは之を為ささるものと看做す
第七条〔事情変更による借賃の増減の請求権〕
①建物の借賃か土地若は建物に対する租税其の他の負担の増減に因り、土地若は建物の価格の昂低に因り又は比隣の建物の借賃に比較して不相当なるに至りたるときは契約の条件に拘らす当事者は将来に向て借賃の増減を請求することを得但し一定の期間借賃を増加せさるへき特約あるときは其の定に従ふ借賃の増額に付当事者間に協議調はざるときは其の請求を受けたる者は増額を正当とする裁判が確定するに至るまでは相当と認むる借賃を支払ふを以て足る但し其の裁判が確定したる場合に於て既に支払ひたる額に不足あるときは不足額に年一割の割合に依る支払期後の利息を附して之を支払ふことを要す
②借賃の減額に付当事者間に協議調はざるときは其の請求を受けたる者は減額を正当とする裁判が確定するに至るまでは相当と認むる借賃の支払を請求することを得但し其の裁判が確定したる場合に於て既に支払を受けたる額が正当とせられたる借賃を超ゆるときは超過額に年一割の割合に依る受領の時よりの利息を附して之を返還することを要す
第七条の二〔賃借人の権利義務の承継〕
①居住の用に供する建物の賃借人が相続人なくして死亡したる場合に於て其の当時婚姻又は縁組の届出を為さざるも賃借人と事実上夫婦又は養親子と同様の関係に在りたる同居者あるときは其の者は賃借人の権利義務を承継す但し相続人なくして死亡したることを知りたる後一月内に賃貸人に対し反対の意思を表示したるときは此の限に在らず
②前項本文の場合に於ては建物の賃貸借関係に基き生じたる債権又は債務は同項の規定に依り賃借人の権利義務を承継したる者に帰属す
第八条〔一時使用のための賃貸借の例外〕
本法は一時使用の為建物の賃貸借を為したること明なる場合には之を適用せす
附 則
第九条〔施行期日〕
本法施行の期日は勅令を以て之を定む
〔大正一〇年五月勅令二〇七号により、大正一〇・五・一五から施行〕
第十条〔施行地区〕
本法施行の地区は勅令を以て之を定む
〔大正一〇年五月勅令二〇七号により、施行地区を指定〕
第十一条〔施行前の建物の賃貸借への本法の適用〕
本法は本法施行前に為したる建物の賃貸借に付亦之を適用す但し本法施行前に賃貸人の解約の申入ありたる場合に於ては賃貸借は既に経過したる期間を算入し六月を経過するに因りて終了す
附 則 〔昭和四一年六月三〇日法律第九三号抄〕
①(施行期日)
この法律は、昭和四十一年七月一日から施行する。ただし、第一条(借地法第十二条の改正規定を除く。)並びに附則第二項、第三項及び第十項の規定は、この法律の公布の日から起算して一年をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
〔昭和四一年七月政令二六五号により、昭和四二・六・一から施行〕
⑥(経過措置等)
この法律による改正後の規定は、各改正規定の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、改正前の規定により生じた効力を妨げない。
⑦ この法律による改正後の借地法第十二条第二項及び第三項並びに借家法第七条第二項及び第三項の規定は、当該改正規定の施行前に地代又は借賃の増減の請求があつた場合には、適用しない。
⑧ この法律による改正後の借地法第十二条第二項又は借家法第七条第二項の規定は、地代家賃統制令(昭和二十一年勅令第四百四十三号)の適用がある地代又は家賃については、請求に係る増加額のうち、同令による停止統制額又は認可統制額をこえる部分に限り適用する。
⑨ この法律による改正後の借家法第七条の二の規定は、附則第六項の規定にかかわらず、当該改正規定の施行前に賃借人が死亡し、その施行後に相続人の全員が相続の放棄をした場合にも適用する。
⑩ 旧防火地域内借地権処理法第二条第一項の申立てがあつた事件については、なお従前の例による。
旧借家法の条文(全文)(原文)
(旧)借家法(全文)
大正十年四月八日法律第五十号
最終改正
昭和四一年 六月三〇日法律第九三号〔借地法等の一部を改正する法律二条による改正〕
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル借家法ヲ裁可シココニ之ヲ公布セシム
第一条〔建物の賃貸借の対抗力・建物の売主の担保責任〕
①建物ノ賃貸借ハ其ノ登記ナキモ建物ノ引渡アリタルトキハ爾後其ノ建物ニ付物権ヲ取得シタル者ニ対シ其ノ効力ヲ生ス
②民法第五百六十六条第一項及第三項ノ規定ハ登記セサル賃貸借ノ目的タル建物カ売買ノ目的物ナル場合ニ之ヲ準用ス
③民法第五百三十三条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第一条ノ二〔賃貸借の更新拒絶又は解約申入の制限〕
建物ノ賃貸人ハ自ラ使用スルコトヲ必要トスル場合其ノ他正当ノ事由アル場合ニ非サレハ賃貸借ノ更新ヲ拒ミ又ハ解約ノ申入ヲ為スコトヲ得ス
第二条〔賃貸借の法定更新〕
①当事者カ賃貸借ノ期間ヲ定メタル場合ニ於テ当事者カ期間満了前六月乃至一年内ニ相手方ニ対シ更新拒絶ノ通知又ハ条件ヲ変更スルニ非サレハ更新セサル旨ノ通知ヲ為ササルトキハ期間満了ノ際前賃貸借ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ賃貸借ヲ為シタルモノト看做ス
②前項ノ通知ヲ為シタル場合ト雖モ期間満了ノ後賃借人カ建物ノ使用又ハ収益ヲ継続スル場合ニ於テ賃貸人カ遅滞ナク異議ヲ述ヘサリシトキ亦前項ニ同シ
第三条〔解約申入期間・解約申入による賃貸借の終了と法定更新〕
賃貸人ノ解約申入ハ六月前ニ之ヲ為スコトヲ要ス前条第二項ノ規定ハ賃貸借カ解約申入ニ因リテ終了シタル場合ニ之ヲ準用ス
第三条ノ二 〔短期契約の制限〕
一年未満ノ期間ノ定アル賃貸借ハ之ヲ期間ノ定ナキモノト看做ス
第四条〔賃貸借の終了の転借人に対する対抗力〕
①賃貸借ノ期間満了又ハ解約申入ニ因リテ終了スヘキ転貸借アル場合ニ於テ賃貸借カ終了スヘキトキハ賃貸人ハ転借人ニ対シ其ノ旨ノ通知ヲ為スニ非サレハ其ノ終了ヲ以テ転借人ニ対抗スルコトヲ得ス
②賃貸人カ前項ノ通知ヲ為シタルトキハ転貸借ハ其ノ通知ノ後六月ヲ経過スルニ因リテ終了ス
第五条〔造作買取請求権〕
賃貸人ノ同意ヲ得テ建物ニ附加シタル畳、建具其ノ他ノ造作アルトキハ賃借人ハ賃貸借終了ノ場合ニ於テ其ノ際ニ於ケル賃貸人ニ対シ時価ヲ以テ其ノ造作ヲ買取ルヘキコトヲ請求スルコトヲ得賃貸人ヨリ買受ケタル造作ニ付亦同シ
第六条〔賃借人に不利な特約の禁止〕
前七条ノ規定ニ反スル特約ニシテ賃借人ニ不利ナルモノハ之ヲ為ササルモノト看做ス
第七条〔事情変更による借賃の増減の請求権〕
①建物ノ借賃カ土地若ハ建物ニ対スル租税其ノ他ノ負担ノ増減ニ因リ、土地若ハ建物ノ価格ノ昂低ニ因リ又ハ比隣ノ建物ノ借賃ニ比較シテ不相当ナルニ至リタルトキハ契約ノ条件ニ拘ラス当事者ハ将来ニ向テ借賃ノ増減ヲ請求スルコトヲ得但シ一定ノ期間借賃ヲ増加セサルヘキ特約アルトキハ其ノ定ニ従フ借賃ノ増額ニ付当事者間ニ協議調ハザルトキハ其ノ請求ヲ受ケタル者ハ増額ヲ正当トスル裁判ガ確定スルニ至ルマデハ相当ト認ムル借賃ヲ支払フヲ以テ足ル但シ其ノ裁判ガ確定シタル場合ニ於テ既ニ支払ヒタル額ニ不足アルトキハ不足額ニ年一割ノ割合ニ依ル支払期後ノ利息ヲ附シテ之ヲ支払フコトヲ要ス
②借賃ノ減額ニ付当事者間ニ協議調ハザルトキハ其ノ請求ヲ受ケタル者ハ減額ヲ正当トスル裁判ガ確定スルニ至ルマデハ相当ト認ムル借賃ノ支払ヲ請求スルコトヲ得但シ其ノ裁判ガ確定シタル場合ニ於テ既ニ支払ヲ受ケタル額ガ正当トセラレタル借賃ヲ超ユルトキハ超過額ニ年一割ノ割合ニ依ル受領ノ時ヨリノ利息ヲ附シテ之ヲ返還スルコトヲ要ス
第七条ノ二〔賃借人の権利義務の承継〕
①居住ノ用ニ供スル建物ノ賃借人ガ相続人ナクシテ死亡シタル場合ニ於テ其ノ当時婚姻又ハ縁組ノ届出ヲ為サザルモ賃借人ト事実上夫婦又ハ養親子ト同様ノ関係ニ在リタル同居者アルトキハ其ノ者ハ賃借人ノ権利義務ヲ承継ス但シ相続人ナクシテ死亡シタルコトヲ知リタル後一月内ニ賃貸人ニ対シ反対ノ意思ヲ表示シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
②前項本文ノ場合ニ於テハ建物ノ賃貸借関係ニ基キ生ジタル債権又ハ債務ハ同項ノ規定ニ依リ賃借人ノ権利義務ヲ承継シタル者ニ帰属ス
第八条〔一時使用のための賃貸借の例外〕
本法ハ一時使用ノ為建物ノ賃貸借ヲ為シタルコト明ナル場合ニハ之ヲ適用セス
附 則
第九条〔施行期日〕
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
〔大正一〇年五月勅令二〇七号により、大正一〇・五・一五から施行〕
第十条〔施行地区〕
本法施行ノ地区ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
〔大正一〇年五月勅令二〇七号により、施行地区を指定〕
第十一条〔施行前の建物の賃貸借への本法の適用〕
本法ハ本法施行前ニ為シタル建物ノ賃貸借ニ付亦之ヲ適用ス但シ本法施行前ニ賃貸人ノ解約ノ申入アリタル場合ニ於テハ賃貸借ハ既ニ経過シタル期間ヲ算入シ六月ヲ経過スルニ因リテ終了ス
附 則 〔昭和四一年六月三〇日法律第九三号抄〕
①(施行期日)
この法律は、昭和四十一年七月一日から施行する。ただし、第一条(借地法第十二条の改正規定を除く。)並びに附則第二項、第三項及び第十項の規定は、この法律の公布の日から起算して一年をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
〔昭和四一年七月政令二六五号により、昭和四二・六・一から施行〕
⑥(経過措置等)
この法律による改正後の規定は、各改正規定の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、改正前の規定により生じた効力を妨げない。
⑦ この法律による改正後の借地法第十二条第二項及び第三項並びに借家法第七条第二項及び第三項の規定は、当該改正規定の施行前に地代又は借賃の増減の請求があつた場合には、適用しない。
⑧ この法律による改正後の借地法第十二条第二項又は借家法第七条第二項の規定は、地代家賃統制令(昭和二十一年勅令第四百四十三号)の適用がある地代又は家賃については、請求に係る増加額のうち、同令による停止統制額又は認可統制額をこえる部分に限り適用する。
⑨ この法律による改正後の借家法第七条ノ二の規定は、附則第六項の規定にかかわらず、当該改正規定の施行前に賃借人が死亡し、その施行後に相続人の全員が相続の放棄をした場合にも適用する。
⑩ 旧防火地域内借地権処理法第二条第一項の申立てがあつた事件については、なお従前の例による。

