A 既に時効消滅していると考えられる債権の抵当権について、時効の援用と抵当権設定登記抹消手続きを求めて訴訟を提起することが考えられます。この時、抵当権者の法人が既に清算していたり、抵当権者が死亡していて相続人がいない場合には、訴訟提起と併せて特別代理人の選任申立てを行います。抵当権者である法人が別会社と合併していたり、抵当権者の相続人がいる場合には、それらの者に対して訴訟を提起します。期間としてはおおむね3か月~6か月程度で抹消まで完了しています。
そのほかには、除権決定による抹消(不動産登記法70条1項2項)も検討対象になりますが、裁判所に公示催告を申し立てる際に消滅時効を援用することができないので、訴訟提起が適している場合が多いと思われます。
被担保債権の消滅に関する証書を登記所へ提供する方法(不動産登記法70条3項前段)も検討対象になりますが、最後の2年分の利息を含む被担保債権の完済に関する証書が必要であるため、かかる証書があるかが問題となります。
供託利用の特例による方法(不動産登記法70条3項後段)も検討の対象となりますが、抵当権者が行方不明であり、弁済期から20年以上が経過しており、債権額、利息、損害賠償金額の合計に値する金額の供託が必要ですので、金銭的に時効を援用する方法が良い場合が多いと思われます。

