A 遺産分割の対象ではありません。相続開始後、それぞれの相続人が持ち分の割合に応じて確定的に賃料債権を取得します。
最高裁判所平成17年9月8日判決は次のように判示しています。
「遺産は、相続人が数人あるときは、相続開始から遺産分割までの間、共同相続人の共有に属するものであるから、この間に遺産である賃貸不動産を使用管理した結果生ずる金銭債権たる賃料債権は、遺産とは別個の財産というべきであって、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得するものと解するのが相当である。遺産分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずるものであるが、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得した上記賃料債権の帰属は、後にされた遺産分割の影響を受けないものというべきである。
したがって、相続開始から本件遺産分割決定が確定するまでの間に本件各不動産から生じた賃料債権は、被上告人及び上告人らがその相続分に応じて分割単独債権として取得したものであり、本件口座の残金は、これを前提として清算されるべきである。」
なお、可分債権が当然分割承継されるという論理は次のとおりです。
相続財産は共同相続人の共有(民法898条1項)となりますが、債権は準共有として民法264条の適用があり、同条は次のとおり定めています。
民法264条(準共有)
「この節(第二百六十二条の二及び第二百六十二条の三を除く。)の規定は、数人で所有権以外の財産権を有する場合について準用する。ただし、法令に特別の定めがあるときは、この限りでない。」
この法令に特別の定めがあるときというのが、民法427条の規定が該当します。
民法427条(分割債権及び分割債務)
「数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う。」
したがって、自己の相続分に応じて単独で権利を有することとなります。

