A 契約不適合責任免責特約を設けていたとしても、契約不適合について知っていたのに告げなかった場合(故意あるいは悪意)や重過失がある場合には、免責特約の効力が否定される場合があります。また、問われたことについて誠実に回答しなければ説明義務違反となる可能性があります。また、嘘の事実を申し向けていた場合には、詐欺による不法行為責任が成立する可能性があるので注意が必要です。
東京地方裁判所平成15年5月16日判決は、次のように判示して、契約不適合責任免責特約がある場合であっても、売主に重過失がある場合に、免責特約の効力を否定し、契約不適合責任を認めています。
「そもそも担保責任の規定は、特定物売買における対価的不均衡によって生じる不公平を是正するために、当事者の意思を問うことなく、法律が特別に定めた法定責任ではあるが、もともと売買契約当事者間の利害を調整しようとするためのものであるから、当事者間の特約によっても、法定の担保責任を排除・軽減することができるのが原則である。ただし、当事者間の特約によって信義に反する行為を正当化することは許されないから、民法五七二条は信義則に反するとみられる二つの場合をして、担保責任を排除軽減する特約の効力を否認しているもの類型化と解される。
そして、本件においては、被告は、少なくとも本件地中埋設物の存在を知らなかったことについて悪意と同視すべき重大な過失があったものと認めるのが相当であるとともに、前記認定のとおり、本件売買契約時における原告からの地中埋設物のないことについての問いかけに対し、被告は、地中埋設物の存在可能性について全く調査をしていなかったにもかかわらず、問題はない旨の事実と異なる全く根拠のない意見表明をしていたものであって、前記のような民法五七二条の趣旨からすれば、本件において、本件免責特約によって、被告の瑕疵担保責任を免除させることは、当事者間の公平に反し、信義則に反することは明らかであって、本件においては、民法五七二条を類推適用して、被告は、本件免責特約の効力を主張し得ず、民法五七〇条に基づく責任を負うものと解するのが当事者間の公平に沿うゆえんである。」

