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辻田寛人
弁護士
 幅広く弁護士業務を行っており、中でも不動産業者様の顧問業務を多く取り扱っております。
 不動産業者様が日常的に疑問を持たれる法律問題についてすぐにご回答できるように日々研鑽を重ねています。顧問業務に限らず個別の案件のご依頼についても多数の経験を有しています。
 お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。

Q ガラやがれき等の地中埋設物がありました。契約不適合責任を問えますか。

A 裁判例は、全ての地中埋設物について契約不適合責任を認めるものではなく、契約の目的や内容、地中埋設物の内容に照らして、個々の事例ごとに判断をしています。例えば、一定の建物を建築するための土地であれば、そのための一定程度の掘削を行うことが通常想定されますが、それ以上深くの地中埋設物については契約不適合とは認めないといった考え等です。また、そもそも契約不適合とは契約の内容との不一致ですので、地中埋設物がある可能性についてどの程度告知をして契約の内容にしていたかという点も争点になり得ますし、契約不適合責任の免責条項や除斥期間条項の適用の有無も争点になります。また、解体業者や地中埋設物を放棄した前々…主の不法行為、仲介業者の説明責任の問題にも発展しえます。以下参考となる裁判例をいくつか掲載したいと存じます。

東京地方裁判所平成25年1月21日判決

購入した土地からがれき等の産業廃棄物が発見された紛争

(事案の概要)
原告(買主)工場用敷地として購入した土地からがれきを含む産業廃棄物が出てきて撤去費用を要したため、売主と媒介業者と前々主(がれきを埋設したことを根拠)に訴訟提起した。

被告Y1(売主)①瑕疵担保責任⇒除斥期間条項により棄却
       ②債務不履行責任⇒説明義務違反を認める
被告Y2(媒介業者)債務不履行責任⇒棄却
被告Y3(前々主)不法行為⇒棄却

除斥期間条項:「甲(売主)が宅地建物取引業者である場合は本物件の引渡後2年…を経過した後は,乙(買主)は前項(瑕疵担保責任)による請求権または解除権を行使できない。」

(各請求に対する判断)
被告Y1(売主)に対する請求
①被告Y1(売主)の瑕疵担保責任(瑕疵の有無、除斥期間条項)
瑕疵の有無

(判旨抜粋)
(1)  原告は,本件土地から発見されたがれき類(本件ガラ)が本件土地の瑕疵に該当すると主張する。
  しかし,原告は,本件売買契約を締結した際,被告Y1社から本件土地の造成時に浸透式貯留槽6つを地中に設置したことを伝えていること(証人H・13頁,被告Y1社代表者・7~8頁),また,原告も平成20年3月には八千代市との間で浸透式調整槽(浸透式貯留槽)の管理に関する協定書を取り交わしていることからすれば,本件土地に埋設されていた6つの浸透式貯留槽は産業廃棄物ではなく,本件土地を利用するために必要な設備であり,原告もそのことを認識した上で,本件土地を購入したものと認められる。したがって,浸透式貯留槽が本件土地の瑕疵であるとはいえない。 
 また,井戸についても,本件土地にとって有用物であると認められるから(証人F・8,10頁,被告Y1社代表者・4頁),これをもって,本件土地の瑕疵であるとはいえない
 他方,浸透式貯留槽,井戸を除いた地中埋設物(コンクリート塊,鉄筋棒,樹木,根,木材片,ビニールシート,設備配管材,電線類等。以下「本件がれき類」という。)は,これらを除去しなければ,工場を建設するための山留め工事,杭工事,土工事ができず,そのため,原告はこれらの撤去を余儀なくされたものである。そして,本件売買契約の際,原告が本件がれき類の存在を認識することは困難であったと認められるから,本件がれき類の存在は,本件土地の隠れた瑕疵というべきである。
 そうすると,本件土地の売主である被告Y1社は,買主である原告に対し,本件土地の瑕疵担保責任を負うことになる。

(除斥条項)

(判旨抜粋)
(2)  もっとも,本件売買契約には,瑕疵担保責任を本件土地の引渡後2年間に限る旨の条項(本件除斥条項)が存在するため,原告の被告Y1社に対する瑕疵担保に基づく損害賠償請求権は,本件土地の引渡時(所有権移転登記時)である平成19年11月6日から2年後である平成21年11月6日の経過時点で消滅したと認められる。
(3)  原告は,被告Y1社が本件ガラ(本件がれき類)の存在を知っていたから,本件除斥条項は適用されないと主張する。
 この点,前記1認定事実によれば,被告Y3社は,本件解体工事の際,本件土地1に浄化槽及び排水槽を撤去せずに残したのであるから,本件がれき類の中には,浄化槽及び排水槽の一部が混入している蓋然性が高い。
 しかし,被告Y1社は,本件土地1の購入時,被告Y3社から大量の地中埋設物が本件土地1に存在する可能性があるとの指摘は受けず,本件解体工事の際に撤去されなかった排水槽が存在し,また,浄化槽,地下タンクが埋設されている可能性があるとの指摘を受けたにとどまっている。そして,被告Y1社は,本件土地の購入後,汚染拡散防止措置工事のために本件土地1の一部を深さ0.5m~1.5m程度掘削し,また,土地の造成時に深さ1m程度掘削して浸透式貯留槽を6つ設置し,さらに本件配置図を参考に,排水槽が存在したとされる付近を約2~3m掘削したものの,本件がれき類は発見されなかったことからすれば,少なくとも,被告Y1社は,本件売買契約の締結時,排水槽以外の本件がれき類については,本件土地1に埋設されていることを認識していなかったものと推認される。
 ところで,被告Y1社が交付を受けた本件配置図によれば,排水処理施設(排水槽)は○○工場の北西部1か所に存在したことがうかがわれ,また,本件解体工事でも排水槽は深さ2mまでの部分は撤去されていることからすれば,本件土地1に残存した排水槽は比較的小規模なものであったと考えられるから(なお,証人G・20~21頁によれば,本件土地1に存在していた排水槽の大きさは,幅3m,長さ5m,深さ4~5m程度であったとされる。),本件がれき類に占める排水槽の割合はごくわずかであったものと推認されるのである。
 したがって,仮に被告Y1社が本件土地1に排水槽が残存していることを認識していたとしても,排水槽の本件がれき類に占める割合を考慮すれば,当該認識をもって,被告Y1社が,本件がれき類の存在全体を認識していたものとは認められない。 
(4) 以上によれば,原告の被告Y1社に対する瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求は理由がない。

②被告Y1(売主)の債務不履行責任(説明義務違反)

(判旨抜粋)
 ところで,前記2で説示したとおり,少なくとも浄化槽,排水槽は本件土地1に埋設されていたことが認められるから,本件がれき類に浄化槽,排水槽が存在した蓋然性が高い。そして,被告Y1社は,被告Y3社から本件配置図を交付された上,排水槽が本件土地1に埋設されていること,浄化槽が埋設されている可能性があることを伝えられていたにもかかわらず,本件売買契約時には,原告にこれらの情報を伝えず,その結果,原告は,浄水槽及び排水槽が本件土地1に埋設されていることを認識しないまま,本件売買契約を締結したものである。
  そうすると,被告Y1社は,本件売買契約を締結する際,少なくとも,本件土地1に排水槽が埋設され,また,浄化槽も埋設されている可能性があることを,買主である原告に対して説明する義務があったというべきであり,被告Y1社が当該説明義務を怠った結果,原告は,本件がれき類の一部である浄化槽及び排水槽の撤去を余儀なくされたものというべきであるから,被告Y1社は,原告に対し,説明義務(本件売買契約の付随義務)違反による債務不履行責任を負うというべきである。

(損害額)

(判旨抜粋)
 ところで,浄化槽及び排水槽が本件がれき類に占める割合を正確に認定することは困難であるが,浄化槽及び排水槽が本件土地1に埋設されていたことによって,原告が損害を被ったことは明らかであるから,本件では,民訴法248条に従い,原告の損害額を算定することが相当である。
 そして,被告Y1社は,被告Y3社から本件土地1を購入する際,売買代金から浄化槽等の撤去費用として200万円の減額を受けていること,本件がれき類に占める浄化槽,排水槽の割合は小さいと推認されることなど,本件に現れた一切の事情を考慮すれば,原告が上記説明義務違反により被った損害は,200万円と算定するのが相当である。

 被告Y2(媒介業者)に対する請求:債務不履行責任(説明・調査義務違反)の有無

(判旨抜粋)
 原告は,本件ガラ(本件がれき類)について,被告Y2社が説明・調査しなかったことは,仲介業者としての善管注意義務に違反するなどと主張する。
 しかし,証拠(丁2,被告Y2社代表者)によれば,被告Y2社は,平成19年7月頃,被告Y1社が本件土地を造成している時期に本件土地の存在を知ったものであり,それ以前において,本件土地の情報を得たことはなく,その結果,本件がれき類が本件土地に埋設されていることの認識を有していなかったことが認められる。そして,被告Y1社が本件土地を造成している間も,本件がれき類は発見されず,そのため,被告Y1社も,排水槽及び浄水槽を除く本件がれき類の存在を認識し得なかったことを考慮すれば,被告Y2社が本件土地に本件がれき類が存在することを認識し得る状況にあったとはいえない。
 そうすると,被告Y2社が本件がれき類の存在について,原告に対し,説明義務ないし調査義務を負っていたとは認められない。

被告Y3(前々主)の不法行為(がれきの不法投棄)の有無

(判旨抜粋)
  (1)  原告は,被告Y3社が本件解体工事を行った際,その廃棄物として本件ガラ(本件がれき類)を本件土地に埋めたから,被告Y3社は,原告に対し,不法行為責任を負うなどと主張する。
 証拠(甲5,10)によれば,本件がれき類は本件土地1の全体から発見されたことが認められるところ,○○工場は,本件土地1のうち別紙物件目録1,2記載の土地上に存在したものであり,本件解体工事の際にも同土地を2m程度掘削したにすぎず,それ以上に同目録3,4記載の土地部分までを掘削したことを窺わせる証拠はないこと(丙6の5,証人G・12~14頁参照)を考慮すれば,本件解体工事によって発生したがれき類が,本件土地1の全体から発見されたというのは不自然である。
 また,本件がれき類の中には,コンクリート塊,木材,PCパイル等が存在するところ,Gは,これらが本件解体工事によって生じたものとは考えにくいと証言し,その理由として,①大きなコンクリート塊に鉄筋が入っていないこと,②コンクリート塊が丸みを帯びていること,③本件解体工事では木の伐採をしていないこと,④○○工場(2階建て)では,PCパイルを杭として用いていないことなどを挙げるところ(証人G・9~15頁),当該証言には特段不自然な点は見当たらない。
 さらに,前記1認定事実及び証拠(丙7~9,証人G)によれば,①本件解体工事が行われた当時,廃棄物処理に当たっては,廃棄物処理法によってマニフェスト(産業廃棄物処理票)制度が採用されていたこと,②マニフェスト制度によれば,産業廃棄物の処理に伴い,排出事業者から収集運搬業者,中間処理業者,最終処分事業者へと順次マニフェストが交付され,各事業者は廃棄物処理後に排出事業者に対してマニフェストの送付を義務づけることで,廃棄物の処理が適正に行われたかどうかを確認できる仕組みになっていること,③本件解体工事においても,当該マニフェストが順次作成されたこと,④解体の過程で生じたがれき類(コンクリート,鉄筋,アスファルト,木くず等)は,収集運搬業者によって中間処理業者の処理施設に運搬され,その大部分(90%程度)が再利用のための資材として処理されたことが認められ,これらによれば,本件解体工事によって生じたがれき類(排水槽,浄化槽を除く。)が,中間処理業者ないし最終処分事業者によって処分されずに,本件土地1の地中に本件がれき類として埋設された可能性は相当に低いものと考えられる。
 これらの事情に加え,本件土地は,千葉県が△△団地の用地又はその周辺用地として開発造成するために買収した土地であること,本件解体工事後に新たに第三者が本件土地1に本件がれき類を埋設したことを窺わせる事情はないこと(証人G・32頁参照)などを考慮すれば,排水槽及び浄化槽以外の本件がれき類は,本件解体工事で生じたものではなく,本件解体工事よりも前に,本件土地に埋設されていた蓋然性が高いというべきである。
(2)  上記(1)によれば,排水槽及び浄化槽以外の本件がれきについては,被告Y3社が本件土地1に埋設したとは認められない
 また,前記1認定事実のとおり,被告Y3社は,本件土地1を被告Y1社に売却するに当たり,排水槽が埋設され,浄化槽等が埋設されている可能性がある旨を告げ,その上で,被告Y1社との間で,売買代金を200万円減額する見返りとして,排水槽,浄化槽等の撤去を被告Y1社の責任と負担とすることで合意したから,被告Y3社としては,排水槽,浄化槽等の処理について相応の責任を果たしたというべきである。
 したがって,原告の被告Y3社に対する不法行為に基づく損害賠償請求は理由がない。

福岡地方裁判所小倉支部平成21年7月14日判決

売買された土地に岩塊等の地中埋設物があり、瑕疵担保責任が認められた裁判例
地中埋設物による工法変更の工事増加費用は損害と認められたが、工事遅延による逸失利益については相当因果関係が認められなかった。

(事案の概要)
原告(買主)が被告(売主)から土地を購入し、12階建てマンションを建築しようとしたところ、地中に岩塊、コンクリート埋設物、アセチレンボンベ等の埋設物が存在したため、工法変更を余儀なくされたとして、増加工事費、工事遅延による逸失利益、弁護士費用の損害賠償請求を行った。

争点 瑕疵の有無

(判旨抜粋)
 中高層建物の建築用地の売買においては,通常一般人が合理的に選択する工法によっては中高層建物を建築できない程の異物が地中に存在する場合には,価格を含めた売買契約の内容がそのような事態を反映したものとなっていないときは,土地の瑕疵が存するというべきである。
(2)ア本件についてこれをみるに,本件売買契約上,本件土地の用途については何ら限定されていないが,本件土地は小倉駅北口の東側に位置する平坦な市街地であり,近隣には8階以上の中高層建物が多数建築されていること,本件土地の面積は512.37m2であること,本件土地の建ぺい率は80%,容積率は400%とされていること(前記1(1)ア)などに照らすと,取引通念上,本件土地は,中高層建物が建築されることが客観的に十分予想される土地であるということができる。
……イ  次に,本件売買契約の売買代金額は,前記1(1)アのとおり,1億3250万円(1m2当たり25万8602円)であるが,これは,固定資産評価額(1億2513万3050円)に照らして不相当な価格ではなく,近隣の土地に比して特段高額又は低額であることを認めるに足る証拠もない。そして,本件売買契約において,中高層建物を建築するために通常一般人が合理的に選択する工法よりもコストのかかる工法が必要であること又はその可能性があることが売買代金額その他の契約内容に反映されているとは認められない
 したがって,中高層建物を建築するために通常一般人が合理的に選択する工法よりもコストのかかる工法が必要であったときは,本件土地には瑕疵が存するというべきである。
ウ そして,原告は,本件土地の地中に本件埋設物が存在したため,本件マンション新築工事に当たって,当初予定したアースドリル拡底工法及びシートパイル工法を用いることができず,全周回転式オールケーシング工法及び親杭スーパーロック工法を用いなければならなかったこと,そのために工費が合計2310万2100円増加し,この増加額は本件土地の売買代金額である1億3250万円の約17.4%(被告の提示した参考価格である1億3020万円の約17.7%)に達することが認められる(前記1(4),(5))。
  なお,被告は,本件土地には石積み構造物は存在せず,岩塊はいずれも小規模で当該部分が本件土地に占める割合はわずかであり,除去できないものとは認められないし,仮に除去する必要があるとしても容易に除去することができるから,本件埋設物の存在により工法の変更を余儀なくされたとはいえない旨主張するが,前記1(4),(5)認定の事実経過に照らせば,本件埋設物の存在により工法の変更を余儀なくされたことは明らかであって,他にこれに疑いを差し挟むに足る的確な証拠はない。
エ  そこで,原告が当初予定した工法及び変更後の工法が,それぞれ通常一般人が合理的に選択する工法といえるか否かについて検討する。
 まず,本件土地の売買代金額が1億円を超すものであること及び本件売買契約が一般競争入札の方法により締結されていることに照らすと,ここでいう通常一般人としては合理的経済人を想定すべきである。そして,前記認定の建築工事における各工法の特徴や工費(前記1(2)),本件土地近隣における建築工事で実際に用いられた工法(前記1(3))及び各証拠(〈証拠等略〉)に照らすと,原告が当初予定したアースドリル拡底工法及びシートパイル工法は,通常一般人(合理的経済人)にとって合理的なものであったと認められ,あえて高額の費用を要する全周回転式オールケーシング工法及び親杭スーパーロック工法を選択することが通常一般人(合理的経済人)にとって合理的なものであったとは認められない。
  これに対し,被告は,本件土地は河口に近い埋立地であるから,安全性を重視して全周回転式オールケーシング工法を選択することも通常一般人にとっては合理的なものである旨主張するが,前記1(3)認定のとおり,本件土地と土質柱状図が類似すると認められる近隣土地においてはいずれも原告の選択したアースドリル拡底工法又はそれよりコストの低い既製杭工法が採用されていることが認められる。全周回転式オールケーシング工法を用いたK建築工事及び市営住宅建築工事については土質柱状図が明らかでない上,これらはいずれも公共団体である被告の発注にかかるものであることに照らすと,コスト意識の強い合理的経済人がアースドリル拡底工法を選択することが合理的であるとの上記判断が左右されるものではない。   
オ そうすると,原告は,中高層建物の建築用地であると取引通念上認められる本件土地の売買において,中高層建物を建築するために通常一般人が合理的に選択する工法よりもコストのかかる工法が必要であること又はその可能性があることが売買代金額その他の売買契約の内容に反映されていないのに,売買代金額の17%余りに上る費用を増額して別の工法を選択することを余儀なくされたのであるから,本件土地には瑕疵があったといわざるを得ない。

争点 損害額

(判旨抜粋)
ア  基礎工事の工法変更による増加工事費
 原告は,本件土地の地中に本件埋設物(瑕疵)が存在したため,本件土地上に本件マンションを建築するためには,当初予定したアースドリル拡底工法及びシートパイル工法を用いることができず,全周回転式オールケーシング工法及び親杭スーパーロック工法を用いなければならないことから,A建託との間で,当初の請負契約の内容を変更し,同変更に伴う工事増額分の費用として2310万2100円を支払ったものと認められる(前記1(4),(5))。
 上記工事増額分の費用は,本件土地に瑕疵があることと相当因果関係のある損害として,損害賠償の範囲に含まれると解するのが相当である。

イ  工事遅延に伴う得べかりし利益相当の損害
 原告は,A建託との間で一括賃貸借契約を締結したが,工法変更に伴う工事遅延の結果,遅延期間中の得べかりし利益相当額の損害を被った旨主張する。しかし,本件土地に瑕疵が存在するといっても,買主が地上建物建築工事に着手する前に詳細な地盤調査を行って瑕疵を発見したため当初から全周回転式オールケーシング工法及び親杭スーパーロック工法を用いるなどした結果,工事遅延が生じないことも大いに想定できる上,得べかりし利益の存否及び額は買主の当該土地の具体的利用計画のいかん及び同計画と瑕疵との関わり方によって大きく左右されるものであるから,その発生についての具体的予見可能性を買主たる原告において立証できなければ瑕疵との間に相当因果関係を肯定することはできないというべきである。そして,本件においてこの予見可能性の立証はない。

ウ  弁護士費用
  原告は,本件土地の地中に本件埋設物が存在したため,原告訴訟代理人に本件訴訟の提起及び追行を委任することを余儀なくされ,相当額の弁護士費用を支出した。本件事案の内容等に照らすと,本件土地に瑕疵があることと相当因果関係のある弁護士費用の額は,200万円と認める。

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