A 付属設備(電気・ガス・上下水道・冷暖房等の配線・配管設備等)について、専有部分に属するのは、一般的に建物の専有部分の内部にあり、かつ、その専有部分の利用のために設置されている場合です。各住戸共通の水道管は共用部分ですが、その管から枝分かれした専有部分のための水道管は専有部分です(東京地方裁判所平成5年1月28日判決、東京地方裁判所平成3年11月29日判決)。その他参考となる裁判例に、以下のものがあります。
最高裁判所平成12年3月21日判決
(東京高等裁判所平成9年5月15日判決)
(東京地方裁判所平成8年11月26日判決)
(事案の概要)
606号室の天井裏を通っている排水管で漏水事故が生じたところ、707号室の区分所有者が自身に責任がないことの確認を求めて、マンション管理組合等に債務不存在確認訴訟等を提起。
争点:本件排水管が、707号室の区分所有者の専有部分か、共用部分か。
⇒結論:共用部分
(判旨抜粋)
1 本件建物の七〇七号室の台所、洗面所、風呂、便所から出る汚水については、同室の床下にあるいわゆる躯体部分であるコンクリートスラブを貫通してその階下にある六〇七号室の天井裏に配された枝管を通じて、共用部分である本管(縦管)に流される構造となっているところ、本件排水管は、右枝管のうち、右コンクリートスラブと六〇七号室の天井板との間の空間に配された部分である。
2 本件排水管には、本管に合流する直前で七〇八号室の便所から出る汚水を流す枝管が接続されており、七〇七号室及び七〇八号室以外の部屋からの汚水は流れ込んでいない。
3 本件排水管は、右コンクリートスラブの下にあるため、七〇七号室及び七〇八号室から本件排水管の点検、修理を行うことは不可能であり、六〇七号室からその天井板の裏に入ってこれを実施するほか方法はない。
右事実関係の下においては、本件排水管は、その構造及び設置場所に照らし、建物の区分所有等に関する法律二条四項にいう専有部分に属しない建物の附属物に当たり、かつ、区分所有者全員の共用部分に当たると解するのが相当である。

