A 数は少ないですが、以下の事例等が挙げられます。
東京地方裁判所平成25年3月21日判決
立退料の提供なく、マスターリース契約の正当事由による更新拒絶が認められた事例
(判旨抜粋)
イ 本件サブリース契約及び本件業務委託契約は、いわゆるサブリース契約であり、原告が被告に対し、aマンション及びbマンション居室部分を使用収益させ、被告が原告に対してその対価として保証賃料を支払うというものであるから、本件サブリース契約及び本件業務委託契約は建物の賃貸借契約であって、借地借家法が適用されると解される(最高裁平成15年10月21日第三小法廷判決・民集57巻9号1213頁参照)。そして、同契約には、建物賃貸借契約として、借地借家法が適用される以上、同法26条1項、28条も適用されるというべきである。
原告は、被告に対し、上記アのとおり、期間満了の1年前から6か月前までの間に更新拒絶の通知を出しており、同法26条1項の要件を充たしている。そこで、更新拒絶が有効か否かは、同法28条所定の正当事由があるか否かによって決せられるべきことになる。
ウ ところで、一般に同法28条の正当事由については、その文言からして、賃貸人と賃借人(転借人を含む)の自己使用の必要性の比較が基本的な考慮要素となるといわれる。
しかし、本件サブリース契約及び本件業務委託契約の場合、原告と被告の契約が解消されたとしても、被告と転借人の賃貸借契約は、本件サブリース契約19条及び本件業務委託契約6条により、原告が引き継ぐとされていて(甲4、12)、転借人の使用状況に変更はなく、原告も被告も、もともと、自分自身で建物を直接占有して使用するという意味での自己使用を目的として各契約を締結しているわけではないから、必ずしも上記の意味での自己使用の必要性の比較が有意な機能を果たすとはいい難く、正当事由の具備を判断するにあたっては、本件建物でどのように収益を上げ、これを誰が取得するのが相当かという広い意味で自己使用を捉えるか、他の要素を相対的に重視して決するほかないと考えられる。
そして、借家契約の更新拒絶に係る正当事由は、当時の立法事実や裁判例の集積によって規定された歴史的背景を有するものであって、その性質は規範的な調整概念であると解されるから、住宅事情や経済事情、社会意識の変化、契約態様の多様化、契約技術の向上、契約当事者の意識の変遷など社会経済の変動があり得ることが立法当初から当然予定されていたというべきであって、その当てはめに際しては、現代的な事情に即して、契約当事者の公平が図られるように弾力的に解釈することが許されるというべきである。
エ 本件は、証拠(甲23、乙37、原告本人、被告代表者本人)及び弁論の全趣旨によれば、個人である原告が相続税対策として、かつての勤務先であった旧株式会社三菱銀行(以下「三菱銀行」という。)に相談した結果、株式会社長谷工コーポレーション(以下「長谷工」という。)の関連会社の営業担当であったAを紹介され、その勧めもあって、三菱銀行から借入を起こして資金を工面し、長谷工にaマンション及びbマンションを建築させ、Aが推薦したサブリース業者とサブリース契約を締結し、以後、サブリース契約を続けてきたという経緯があったと認められ、原告としてはサブリース業者から保証賃料を安定的に得て借入金や利息を返済することを企図し、Aが紹介をした被告を含むサブリース業者は、巨額の初期投資を免れつつ、転借人の募集や不動産の管理等の経営努力を行うことで、転借人からの賃料と原告に支払う保証賃料との差額によって利益を上げることを目的としていたものといえるから、賃貸借契約という形式を主要な要素としながらも、投資家である原告と実業担当者であるサブリース業者との間の共同収益事業という複合契約的な側面があり、当事者間の契約の解消の是非を検討するに際しては、契約締結に至る経緯、契約の履行状況、当事者双方における投資と収益の均衡、双方当事者の契約存続に対する期待及びその要保護性の程度、サブリース業者の実績などを評価し、契約実態に即応した形で、自己使用の必要性、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況、補完要素としての立退料等の提供といった借地借家法所定の要素を考察するのが相当である。
オ 上記前提事実、証拠(甲1ないし6、10ないし12、21ないし24、乙3、4、6ないし9、26、27、37、原告本人、被告代表者本人)及び弁論の全趣旨によれば、Aが原告に対して賃貸事業試算表、建築資金、返済計画等を示した上で、原告の相続税対策のためBが借入を起こして長谷工に発注してマンションを建築することとしたこと、Bは12億から13億円を借り入れてaマンションを建築し、約4億円を借り入れてbマンションを建築し、平成3年12月12日に竣工したaマンションを平成4年11月14日に原告が相続し、平成5年9月3日に竣工したbマンションを原告が当初から単独所有したこと、aマンション及びbマンションは、当初よりAが薦めるサブリース業者によって管理されていたこと、複数のサブリース業者へと変更がなされたがいずれも2ないし3年程度の期限付き契約であったこと、○○社ことAがこれらのサブリース業者から引き継ぐ際に、従前のサブリース業者に対して転借人を確保したことに対する特別な対価を払ったという証拠がないこと、○○社ことA(平成19年に被告が承継)がサブリース業を行うようになったのは、aマンションにつき平成11年9月1日からであり、約3年間という期限の契約が3回更新され、最終的に平成22年11月22日までとなったこと、bマンションにつき平成14年7月31日から、2年間という期限の契約が3回更新され、最終的に平成22年7月31日までとなったこと、原告が被告の要望を受け入れる形で、aマンションの保証賃料が、平成16年11月時点で月額771万円であったものが、平成18年7月に721万円、平成19年10月に690万円、平成20年11月に700万円、平成21年4月に月額670万円と下がってきたこと、本件サブリース契約及び本件業務委託契約の原案はAが作成し、原告がこれに署名する形式で作成されたこと、本件サブリース契約及び本件業務委託契約は、一定の金銭的な補償を必要とする中途解約条項と区別して、特段の補償を定めない期間満了の条項が別途設けられていること、被告が転貸し入居を許した業者の役員がaマンションの居室内で従業員を傷害死させる事件を起こしたこと、当該業者は県から業務停止処分を受けている会社であったこと、被告が転借人に電気料に事務手数料を上乗せした請求をしたため、当該転借人から刑事告訴も検討せざるを得ないといった強いクレームを受けたことが認められる。
上記によれば、専門業者である被告ないしその代表者のAが作成した条項を基に個人である原告がこれに応じる形で、契約書が作成されており、被告又はAにおいて、契約期間を長期間にしたり、更新拒絶について補償金を要するといった条項を規定することが可能であったのに、そうしなかったのであるから、被告が契約条項の文言どおりの責任を負ってもやむを得ない事情があるというべきこと、サブリース契約としては比較的短期間であるとも思われる2年ないし3年程度に契約期間を限定している以上、契約当事者が当然に契約関係を長期間継続させると強く期待していたとはいえないこと、契約が短期間であることは、一方的にサブリース業者に不利になるとは限らず、むしろ、予期したほど収益が上がらない場合には、サブリース業者が自由に撤退したり、契約更新時に改めて契約条件について協議する機会を得たりというフリーハンドを付与する趣旨であるとも解されること、上記平成15年の最高裁判決による判断が示されるまでは、サブリース契約に借地借家法が適用されるのか、裁判実務上も学説上も大いに議論があったところであり、契約当事者が当然に借地借家法28条の適用があることを期待していたとはいえないこと、サブリース業を行うに際しては、サブリース業者の利益を確保するということもさることながら、もともとは、長谷工が建築請負の受注を得るためにスキームが構築され、その中でサブリースという仕組みが組み込まれたものと窺われること、そのため、B又は同人を相続した原告が高額の借金をし、長谷工に請負代金を支払っている反面、aマンションが完成した平成3年以降の時期はバブル経済崩壊により不動産市況が低迷していったという背景があるものの、原告が受けるべき保証賃料の減額が続いており、原告にとって投下資本の回収や借金返済の負担に悪影響が出たと容易に推認できること、保証賃料の多寡は、こうした経済情勢の影響を受けるが、サブリース業者の実力によっても相応に左右されるものであり、多額の投下資本を回収したい原告にとっては、できるだけ転借人の満足を得るなどして業績を上げられる事業者を選定することが必要であり、そのような必要性も保護に値すること、○○社ことA又は被告の前から別のサブリース業者が関与しており、転借人の確保等はひとえにA又は被告のみの企業努力による成果とはいえないこと、Aらが従前のサブリース業者に別途業務引継に対する対価を支払ったという証拠もないこと、2年ないし3年の契約期間において、3か月分程度の賃料を払えば中途解約を許容する契約となっていたところ、実際には、契約は既に3回更新され、最後の期間満了についても原告は契約所定の手続を踏んでおり、A及び被告が企業努力によるサブリース業務を営んできたとしても、その期待に見合った程度の契約を継続していると評価できること、被告の管理の下、被告が許可した入居者において死亡事故が出たり、転借人から電気料金に疑問を呈されたりと、原告が被告の管理状況に不審を抱いてもやむを得ない事情が生じていることなどの諸事情が認められ、保証賃料が下がる中で投下資本の回収のため自らの希望するサブリース業者を改めて選定をしたいという原告の自己使用の必要性があり、反面、被告においては契約更新を繰り返し、契約期間が長期化するに伴い企業努力に見合った回収を図る機会が与えられ、3回の更新を経るなど回数を重ね、収益を上げることで自己使用の必要性が相対的に低くなったということはできること、上記認定にかかる契約締結の過程や契約に付与した期待など賃貸借に関する従前の経過、被告による管理状況、転借人の居住権には影響が出ないことなどからすれば、補完要素である立退料等の提供がなくとも、原告による本件サブリース契約及び本件業務委託契約の更新拒絶には正当事由があると認められるというべきである。
東京地方裁判所令和5年7月20日判決(後記東京高等裁判所令和6年1月18日判決の原審)
マスターリース契約において、立退料の提供なく更新拒絶を認めた事例
(判旨抜粋)
(1)ア 原告は、本マスターリース契約の締結に当たる経緯として、被告側から、契約解除について、賃貸人から契約を解除する場合も、6か月前に文書で通知することで足り、正当事由が必要である旨の説明は受けていなかったことを指摘する。この点に関しては、契約締結に当たっての原告側と被告側のやりとりで、被告側から、殊更に、正当事由は不要で解除に応じる旨明示的に伝えたといった経緯があるとまでは認められないのであり、正当事由の存否について検討することなく、本マスターリース契約が終了したものと判断することはできないことはもちろん、契約解除に正当事由が不要と認識していたこと自体を、正当事由を基礎付ける事実の一つと認めることもできない。
イ 他方、本マスターリース契約の存続期間について、被告の説明により原告側で選択し、当初、入居可能日から4年間と定められたこと(前記1(1)ア)は、当事者、とりわけ被告の契約存続に対する期待の観点から、正当事由が認められる方向に働く事実といえる。
また、平成30年1月に、同年8月1日からの契約更新につき、契約期間を2年から1年として更新合意がされたことに関し、期間を短縮することとした経緯、特に原告側の意向について争いがある。
この点については、平成29年10月に、本賃貸物件の202号室において複数名で深夜に大騒ぎしていたという事態が発生し、原告において、被告に対し、本マスターリース契約の解約の申入れを行い、同月22日に行われた原告側と被告側との話合いにおいて、原告側から、契約更新に応じるための条件として、平成30年7月31日の契約期間の終了以降は、契約期間を1年間として、契約期間における被告の対応状況を確認し、原告にとって改善が十分でない場合には契約を終了することを求めたところ、被告はこれに応じ、同年8月1日からの契約期間が1年とされたものである(前記1(1)イ)。他方、このような経緯や趣旨等が、同日以降の契約更新に係る契約書に明記されているわけではなく、また、契約期間が1年とされた後、令和元年、令和2年及び令和3年の3回にわたり、同じく契約期間を1年として契約更新されているのであり、これら3回の契約更新に係る契約書にも、契約期間を1年間とすることの趣旨等が明記されてはいない。
以上について検討するに、契約期間を1年間という短期間に限定することについて被告が応じていること自体、当事者の契約存続に対する期待の観点から、正当事由が認められる方向に働く事情といえる。その上で、契約書には、契約期間を1年とした趣旨に関することやその後に入居者の管理等について問題が生じた場合には被告において解約に応じるといったことが明記されているものではないとしても、前記のとおり、経緯としては、入居者の管理等についての被告の対応状況の確認を一つの観点として、1年間という短期間に限定することとされたのであるから、契約期間を1年間とした後、入居者の管理等に関して問題が生じた場合には、更新拒絶に正当事由が認められる方向に働くといえる。
ウ 次に、無断転貸の主張に関し、被告からa社に対する本賃貸物件の転貸について、原告が承諾したことを示す的確な証拠は見当たらない。被告は、仮に無断転貸であったとしても、背信行為と認めるに足りないものである旨主張するが、本マスターリース契約には、同契約の目的として、被告が本賃貸物件を一括して借り上げ、管理を行うと同時に、各室を賃借人に住居用として転貸することを目的とするものと定められており(甲4)、被告からa社への転貸及びa社が入居者との賃貸借契約の主体となることが始まった時期は証拠上明らかではないが、ごく短期間であるとか一時的なものであるといったこともうかがわれないのであり、背信行為と認めるに足りないとはいい難く、本件更新拒絶の正当事由の存在を基礎づけるものといわざるを得ない。
エ 入居者による騒音やゴミ出しルールの違反については、被告においても、前記1(3)のとおり、配慮や協力を求める内容の文書を全戸に配布することや、問題があると思われる入居者への個別の対応などを行ってきており、一定の対応をとっており、このような対応よりも明らかに有効かつ過大な負担とはならないような方策が容易に想起されるものではないといわざるを得ず、騒音やゴミ出しについての被告の対応をもって、本件更新拒絶の正当事由の存在を基礎づけるものと認めることはできない。
他方、入居者の把握・管理については、前記認定事実(2)のとおり、被告の対応は、同居者の把握が遅れたり、同居者について十分な情報が得られないといったことのほか、本賃貸物件において民泊事業を行う入居者がいたことを把握できていないなど、後手に回る対応となっており、原告側の不安や懸念を払拭するに足りるような対応をしてきたとはいえず、そもそも、入居者との賃貸借契約の締結の時点で、居住者に変動が生じる場合に必要な対応や禁止される事項などについて十分に説明・周知しているかについても疑念が生じるところであり、結局、被告が適切な対応を十分にしてきたとはいえないのであって、本件更新拒絶に正当事由が認められる方向に働く事情であるといえる。
オ さらに、本賃貸物件と一棟の建物として構造的に一体をなしている建物部分に居住している原告にとっては、本賃貸物件における契約者ないし入居者の把握・管理は、自身や家族の平穏な生活の確保という観点からも重要であると解すべきところ、前記のとおり、被告による契約者ないし入居者の把握・管理には心もとない面があることは否めないことから、原告が、本賃貸物件について、直接の賃貸人として使用する必要性は高いといえる。
これに対し、被告による本賃貸物件の使用の必要性については、前記のとおり、契約期間は原告側の選択に委ねられ、2年ないし30年という選択肢の中で、原告側の選択により、当初から4年間という比較的限定的な期間とされていた上、平成30年8月からは1年間という短期間に変更されていることからして、被告において、契約存続に対する期待が高いものとはいえないのであり、その上、平成22年8月1日に被告に対して本賃貸物件の引渡しがされてから、契約更新が繰り返され、12年にわたって本マスターリース契約が継続してきたことからすれば、被告の事業上の必要性等を踏まえても、現時点では、被告による本賃貸物件の使用の必要性は、原告の使用の必要性に比して高いとはいえない。
(2) 小括等
以上を総合するに、本マスターリース契約について、原告による更新拒絶には正当事由があると認めるのが相当である。
東京高等裁判所令和6年1月18日判決(前期東京地方裁判所令和5年7月20日判決の控訴審)
原判決を維持し、マスターリース契約において、立退料の提供なく更新拒絶を認めた事例
(判旨抜粋)
当裁判所は、本賃貸物件の明渡請求については、原審と同様、控訴人がした本件更新拒絶には正当事由があると認められるから理由があり、賃料相当損害金請求については、控訴人の弁済及び相殺により消滅した部分を控除して、令和5年10月末日までの賃料相当損害金残額38万7450円及び同年11月1日から本賃貸物件の明渡済みまで1か月69万円の割合による金員の支払を求める限度で理由があると判断する。
……
サブリース事業を専門的に営む控訴人から、更新拒絶に正当事由を要する旨の説明を受けていなかったことと相まって、被控訴人側において同期間経過後の契約解消が容易に可能であるとの誤信を生じさせかねないものであり、その意味で正当事由を基礎付ける一事情に当たるということはできる。もっとも、当初の契約期間の定め自体は更新拒絶に正当事由が必要であることを何ら左右するものではなく、控訴人において、同期間に限定されることを前提とした事業計画を立てていたというような事情も見当たらないから、上記事情の影響は限定的であり重視することはできない。
……
次に、無断転貸の点について、控訴人は、本賃貸物件をa社に転貸し、同社が入居者に転貸していたところ(甲30、証人H)、被控訴人がこれを承諾していたことを認めるに足りる証拠はない。そうすると、控訴人のa社への転貸は無断転貸に当たり、本マスターリース契約に違反するから、上記事情は更新拒絶の正当事由を基礎付ける事情に当たると認められる。もっとも、控訴人とa社は、同一事業所に本店が所在する関連会社であり、役員及び従業員を兼務し、控訴人が主として賃貸物件の所有者との対応関係の業務を、a社が賃貸物件の管理や入居者管理等の業務を行い、提携して業務を行っていることが認められる(甲3の1、乙13、証人H)。また、本賃貸物件の入居者との転貸借契約の貸主はa社であるが、賃料の支払先は控訴人名義の口座とされている(乙14)。上記諸事情によれば、控訴人が本賃貸物件をa社に無断転貸したことにより、本マスターリース契約に基づく本賃貸物件の管理運営に具体的な支障を生じさせるおそれは乏しく、貸主である被控訴人に与える影響も小さいというべきであるから、上記無断転貸を更新拒絶の正当事由として重視することはできない。
……
他方、控訴人も本件のようなサブリース事業を収益源として事業を展開しており、本マスターリース契約を継続し本賃貸物件を使用する必要性を有しているということができる。もっとも、控訴人の扱う管理物件は約1200棟に及び(甲3の1)、本賃貸物件はその一つにすぎない。以上のような控訴人と被控訴人の本賃貸物件の使用の必要性を比較すると、両者はともに本賃貸物件を入居者に賃貸することを使用目的とするものであるが、被控訴人は、本賃貸物件の所有者であるとともに本建物を構成する自宅部分に居住し、近隣住民としても本賃貸物件の入居者から直接生活環境に影響を受けるので、その管理状況に重大な利害関係を有するため、本賃貸物件との関係に代替性がないのに対し、控訴人の本賃貸物件の使用の必要性は上記多数の管理物件の一つにとどまり、代替性があるから、被控訴人の使用の必要性は控訴人の使用の必要性を上回るものと認められる。

